リップケア用品は、乾燥しがちな季節はもちろん、通年需要のあるアイテム。リップケア用品というとまずリップスティックが想起されるが、近年ではジャータイプやチューブタイプのほか、医薬品クリームや唇用パック、スクラブなど、アイテムの種類も増えてきた。ここでは、主なアイテムであるリップクリーム(スティック含む)を中心に、歴史を紐解いていこう。
~1960年代リップクリーム黎明期
国内でリップクリームが商品化されたのがいつ頃なのかは判然としない。スティックタイプの口紅が登場したのは大正中期とされているが、リップクリームの登場はそれよりはるか後、昭和の時代に入ってからのようだ。1950年代の家庭雑誌には、「これまでは唇の保護として油性の軟膏や蜂蜜をつけてきたが、最近ではリップクリームが市販されている」という主旨の記述がみえる。
1回目の東京オリンピックが開催された1964年、近江兄弟社が薬用リップクリームを発売したことがわかっている。また、1966年発行のビジネス誌に、伊勢半の“無色の口紅”が売れていることがとりあげられており、これもリップクリームのことだと考えてよいだろう。