1980年代唇を守るだけじゃない!


1980年代に入ると、リップスティックはケア用品というだけでなく、女性のおしゃれアイテムとしても扱われるようになった。とくに女子中高生にとっては、口紅は校則で学校に持って行けないが、ケア用品であるリップスティックなら学校に持参できるうえにメイク気分を味わうことができるため、必須アイテムとなった。
1982年9月、ニベア花王が「ニベアリップケア レギュラー」(現「ニベアモイスチャーリップ」)でリップケア市場に参入。「ニベア」ブランドのイメージを踏襲したブルーのパッケージと、「唇の荒れを防ぐなめらかリップ」というキャッチコピーで幅広い世代に訴求した。

ハンドクリームのイメージが強いユースキン製薬も、1988年9月に「ユースキンリップケア」(現:「ユースキンリリップケアスティック」)を発売した。リップスティックはビタミンB2由来の黄色で、ブランドイメージを維持。「口紅の下地に無香料リップ」というコピーで、口紅を使用する世代に訴求した。
すでにリップケア市場を牽引する存在となっていたロート製薬は、学生をターゲットとして1983年に「キャンパスリップほそみ」を発売、翌1984年には「メンソレータムキャンパスカラーリップ」を発売。とくに「キャンパスカラーリップ」は、リップスティックなのに「色付き」で、リップケアをしながらほんのり色づくことで口紅っぽさも楽しめる点が人気だった。
なお同社は、その4年後にあたる1988年にアメリカのメンソレータム社を買収し、経営権を取得。海外進出への足がかりとした。
市場に参入したばかりのニベア花王も、若年層をターゲットとした商品を次々に投入。1984年に同社として初めて香りを訴求した「ニベアリップケアスウィートシトラスの香り」を発売し、続いて1986年には、若年層をターゲットとした「ニベアリップケアシャインフローネ」ブランドの色付きリップスティックとして「カラーリングリップ」4色を展開した。