~1980年代はがすパック全盛期、シートマスクの登場

美容マスク・パックの発祥は正確にはわからないが、西暦60年代、ローマ皇帝ネロの妻ポッパエアが、小麦やライ麦、ハチミツ、ロバの乳などから作った美容パックをしていたという伝説がある。
日本では、江戸時代中期にあたる1813年に『都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)』という美容書が出版されており、そのなかに冬瓜(とうがん)と酒を煮詰めて絞った汁や、猪の蹄を米のとぎ汁で煮詰めたものを寝る前に顔に塗る、といった記述が見える。
このように、美容パックは身近な材料を使って自分で作る美容法だったが、近代になり商品化されていった。1932年にハリウッド化粧品は、粉を化粧水で溶いて顔に塗る「パリジャンパック」を発売している。
戦時下の物品統制の時代を経て、1956年、塗って乾いたらはがすパック「サンリョウパック」がヒノキ新薬から登場する。これが世界初のはがすタイプとされており、これ以降の美容パックははがすタイプが主流となる。
そんななか、1981年にプロクター・アンド・ギャンブルから登場した「SK-II フェイシャルトリートメントマスク」は、国内初のシートマスクと考えられている。しかしこの時点ではまだ、はがすタイプの優位をおびやかす存在ではなかった。



