新石器時代~原始人にとっても身だしなみは重要?

おしゃれも最初は実用から
くちひげ、あごひげのケアは男の身だしなみ。そのひげを剃ったり整えたりするのがヒゲソリだ。また、男女問わず無駄なうぶ毛などを剃るのにカミソリを使うが、人類は遥か昔からヒゲソリ・カミソリを使っていた。
はるか太古の新石器時代、すでにヒゲソリと思われる石器が作られている。といっても、今のようにおしゃれアイテムとして使われていたわけではなく、ノミやシラミが付くのを防ぐために使われていたようだ。その時代は、黒曜石と呼ばれる石を割っただけのシンプルなカミソリだったが、紀元前14世紀のエジプトになると、金や銅でできたものが使われていた。当時のファラオは、権威を示す存在として、全身のムダ毛をカミソリで剃っていたという。その後もローマ時代には、奴隷と一般市民を区別するため、奴隷はひげを生やしたままだが、市民はひげを剃るか短く整えていた。こうして、きれいにひげを剃ったり整えたりすることが日常的になっていった。
しかし、ナイフ状の刃物を肌に当てて行わなければならないひげ剃りは、自分だけで安全かつきれいに仕上げることは難しく、近代になるまで家族に剃ってもらうか、理髪店で剃ってもらうのが一般的だった。それを自分一人でできるようになった画期的な発明が「安全カミソリ」だ。
安全カミソリの登場
最初の安全カミソリを発明したのは、フランス人のジャン・ジャック・ペレだった。1762年のことだ。刃物の専門家だったペレは、大工道具のカンナをみて思いついたという。その後、1880年に米国でカンフェ兄弟が安全カミソリの特許を取得した。このカミソリは、刃の先端に沿って肌が切れないようにガードがあるのが特徴だったが、ひんぱんに取り外して研ぐ必要があった。

このような安全カミソリの普及を決定的にしたのが、アメリカの発明家キング・キャンプ・ジレットだ。のちにその名前を冠するジレット社の創業者となる彼は、1903年、研ぐ必要のない安全カミソリを発売した。このカミソリは、専用のホルダーに使い捨ての薄い刃を採用しており、切れ味が悪くなると新しい刃に変えるという機構により、研ぐ面倒をなくしたものだった。この発明が素晴らしいのはユーザーにとってだけではない。うまくいけば、自社の使い捨て刃を使い続けてもらえる、いわゆる「替え刃ビジネス」のモデルとなったという面で、企業にとっても画期的だった。現在でも、インクジェットプリンターのインクなど、継続して使ってもらうことで利益を得るビジネスモデルがあるが、その先駆けといえるだろう。
その後1921年には、ジレットと並ぶ世界的なメーカー、シック社の創業者となるジェイコブ・シックが充填式カミソリ「インジェクター」の原型ともいうべき商品を開発。以後、改良が重ねられてこちらも世界に広まっていった。
なお、現在「ジレット」ブランドはP&G、「シック」ブランドはシック・ジャパンが日本での販売元となっているが、時代ごとの変遷が激しいことと、わかりやすいことから、以下では「ジレット」などのブランド名で話を進める。




