2000年代新たな成分を配合した新商品ラッシュ!
各社一斉にスイッチOTCの水虫薬発売に踏み切る

2002年、厚生労働省が医療用水虫薬の有効成分<ブテナフィン塩酸塩><アモロルフィン塩酸塩><テルビナフィン塩酸塩><ネチコナゾール塩酸塩><ラノコナゾール>をOTCに転用することを承認する。これを受け、新たなスイッチOTC成分を配合した水虫薬が相次いで発売される。

最も早かったのは2003年に登場した、<ブテナフィン塩酸塩>配合の「ラマストンMX液/クリーム」(佐藤製薬)。そのあと、<アモロルフィン塩酸塩>配合の「ダマリンエース」(大正製薬)と「トークール」(杏林製薬)が続き、<ネチコナゾール塩酸塩>配合の「アトラントエース」(エスエス製薬)、<ブテナフィン塩酸塩>配合の「スコルバダッシュ」(武田薬品工業/現・アリナミン製薬)、さらには、久光製薬も<ブテナフィン塩酸塩>配合の「ブテナロック」で水虫薬市場に新規参入し話題を集めた。

そして、2004年には、三共(現・第一三共ヘルスケア)が、当時世界シェアナンバー1という、<テルビナフィン塩酸塩>配合の「ラミシールAT」を投入。新スイッチOTC成分は2004年に一通りそろった格好となった。これらの新商品は、1日1回の使用で鋭い効き目を発揮することが受け、1年目から水虫薬市場の主役となった。
こうした新商品ラッシュによって、治療を途中でやめていたユーザーの回帰や、広告宣伝によるユーザーの治療意欲の高まりを受け、市場は活性化する。
当時のシェアは、「ダマリン」の大正製薬、「ラミシールAT」の三共、「ブテナロック」の久光製薬といった3強が争う格好となっていた。生き残りをかけた各社の争いが熾烈を極めるなか、大正製薬や武田薬品工業、ゼファーマなどの古参勢力もTVCM、雑誌広告やWebでの展開などに力を入れ、巻き返しを図った。
プラスアルファの成分がポイント
一気に市場を席巻した新しいスイッチOTC成分だが、単味剤で、かゆみに即効性がなかったことから、これまで発売されていたかゆみ止め配合薬との売り分けがなされていた。

しかし、2007年に小林製薬が抗真菌成分にかゆみ止めを配合した「タムシール」を発売。同年、佐藤製薬もかゆみ止め成分をプラス配合した「ラマストンMX2」シリーズを発売し、クリーム、液、そしてゲルという3剤形でラインナップを充実させていった。翌2008年には、<リドカイン>のほか2成分を配合した「ダマリングランデ」を大正製薬が展開し、モグラをキャラクターに起用したインパクトのあるTVCMを投下するなど、各社かゆみ止めタイプを投入し始めていった。
さらに、かゆみ止めにプラスして、抗炎症成分や殺菌成分を配合しているものや、尿素を配合しているもの、剤形にジェットタイプのスプレーを採用したもの、ゲルタイプなど、さまざまなタイプの商品が登場し、市場を賑わせていった。
女性のニーズに応える商品も

一方で、ブーツの流行や、社会進出によって靴を履く時間が長くなったことを背景に、女性の水虫ユーザーが顕在化。もともと「メンソレータム」ブランドから「リフレア」というデオドラントシリーズを展開していたロート製薬は、女性のフットケア市場に着目。足のにおいや水虫の悩みに応える商品として、足のデオドラントラインである「フットリフレア」シリーズと、水虫ケアラインである「フットリフレアエクシブ」シリーズを立ち上げた。「フットリフレアエクシブ」シリーズは、女性が使いやすく、手があまり汚れないスプレー剤形を押し出して、支持を得ることに成功。ただ、立ち上げ当時はなかなか浸透せず苦しみの時期だったという。「ダマリン」や「スコルバ」など、他社製品もピンク色のパッケージにするなど女性用を発売していたが、買いにくさは解消されなかった。そこで、デザインのかわいらしさだけでなく、容器にもこだわり(アルミチューブではなく、水虫薬に見えないようなものを採用)工夫をこらした。
2007年には、<テルビナフィン塩酸塩>を配合し「メンソレータム エクシブ」をリニューアル。積極的なプロモーション展開と、女性の水虫についての啓蒙を行ったことで、リピートしてもらえるきっかけとなり、徐々に“女性のための水虫”として浸透し、支持を集めていった。
また、2009年には、水虫薬としては初めてせっけんの香りを付加。女性は水虫薬を使用しているときや、水虫を治療している行為自体も恥ずかしいと思っている点に着目し、少しでも気持ちよくケアしてもらいたい、前向きな気持ちで購入してもらいたい、という思いから、香りをプラスしたという。