1960~1970年代使い捨て紙おむつは大人用が先?

「高齢者の人口」(総務省統計局)、「平均寿命の年次推移」(厚生労働省)より抜粋
高齢化社会を見据え、1962年にはすでに登場
大人用紙おむつは、主に介護を必要とする高齢者をメインターゲットに開発されたものだ。この「高齢者」とは、法律や制度ごとで年齢が異なり、WHOの定義では65歳以上を指しており、「高齢者の医療の確保に関する法律」では「65~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者」としている。(ただし、日本老年学会と日本老年医学会では、近年の老化現象に関するさまざまなデータの変化を検討した結果、65~74歳では心身の健康が保たれ、社会活動を活発に行うことができる人が大多数を占めることなどから、新たに75歳以上を高齢者の定義することを提案しているが、ここでは、「高齢者の医療の確保に関する法律」に従う)
現在では、その高齢者の増加が社会問題となっており、社会における高齢者割合を示す指針として
- 人口の7%が高齢者になったら「高齢化社会」
- 人口の14%が高齢者になったら「高齢社会」
- 人口の21%が高齢者になったら「超高齢社会」
と定義されている。

総務省統計局「高齢者人口及び割合の推移(1950年~2040年)」より抜粋
国勢調査をもとにした人口推移を見ると、「高齢化社会」に突入したのは1970年で、総人口約1億370万人に対し65歳以上の人口が約730万人(約7.04%)となっている。こうした状況もあり、1973年には、70歳以上の老人医療費を無料とする「老人医療費支給制度」がスタートした。これは、高齢者の医療費負担をいかに軽減するかが大きな問題となっていた1969年に、東京都と秋田県が老人医療費の無料化に踏み切ったことが契機となり、国が追随する形で始まった制度だ。

こうした状況のなか、ベビー用で使い捨ておむつがスタンダードになっていくのと同様、介護用でも紙おむつが注目を集めることになる。ただでさえ大変な介護現場からすれば、洗濯する負担を軽減できる使い捨ての紙おむつの登場は必然といえた。
ベビー用では1977年に「パンパース」(P&G)が日本に入ってくるが、乳幼児用のライナー(布おむつの内側に敷く紙綿製のライナー)は、実は1962年には登場していた。しかし同じ1962年、すでに日本で初の大人用の紙おむつ「ハクジウ大人用おむつL」が白十字から登場していると聞くと、驚く人も多いのではないだろうか。この商品は、紙をクレープ状に重ねた取り替え用の吸収シートのようなもので、おむつカバーといっしょに使用するものだった。当時は、一般市民にはなじみが薄く、病院や施設での使用がメインとなっていた。




