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日焼け止め歴史市場シェア

2026年4月24日歴史・グラフ更新

2010~20年代ニーズの拡大と深化

より良い使用感を目指して

2010年代に入ると、紫外線対策への意識がさらに広がり、「日焼け止めは、季節を問わず毎日塗り続けるもの」として受け入れられるようになる。日常使いが当たり前になると新たなニーズが生じる。それが「UVカット効果と使用感の両立」である。

日焼け止めに配合される紫外線吸収剤は、皮膚表面で紫外線のエネルギー変換を行うため敏感な肌には負担がかかりやすく、紫外線散乱剤には、原料特有のキシキシとした感触がある。効果を高めようとすると使用感にくせが出やすいという難題をもつ日焼け止めを、各メーカーはUVカット剤の形状の工夫や基剤の工夫などを凝らして、次々と進化させていった。

「ビオレUV アクアリッチ」 (花王)

そして、使用感の良いジェル、エッセンスなどのウォーターベース剤形ながら、UVカット効果の高いものが続々と登場し始めた。花王は2010年に「ビオレUV アクアリッチ」のジェルタイプを、さらに翌年にはエッセンスタイプを発売。この「ビオレ アクアリッチエッセンス」は、ウォーターベース剤形として初のSPF50商品だった。カネボウ化粧品は2011年に「アリィー エクストラUV ジェル(ミネラルモイスト)」を発売しているが、高SPFのジェル剤形の開発に、実に5年の月日を要したという。2019年発売の「ニベアサン ゼロフィーリングUVローション」(ニベア花王)は、その名の通り塗っている感じがしない、化粧水のようなテクスチャーながら、乾くとUVカット剤が均一に分散する技術により高SPFを実現した。

さらに、夏の日焼けが当たり前だった自身の子ども時代をふまえ、自分の子どもにはしっかりUV対策をしたいと考える親世代が増えたことで、子どもにも使える、または親子で使える日焼け止めが市場の一角を形成し始めた。

「マミー UVマイルドジェル」 (伊勢半)

2012年に発売された親子で使えるポンプタイプの「マミー UVマイルドジェル」(伊勢半)は、食品成分90%配合でベタつかない使い心地とかわいらしいパッケージが特徴の親子で使える日焼け止めで、現在でもロングセラーとなっている。

花王の「キュレルUVカット」シリーズは、もともと乾燥性敏感肌の人を考えて開発されており、軽い使い心地の「ローション/エッセンス」は子どもの肌にも使えることを謳っている。ニベア花王「ニベアサン プロテクトウォータージェル こども用」は、子どもの肌に負担が少ないことはもちろん、塗られるのをいやがる子どもにもサッと塗れるよう、片手で開けられる容器にもこだわっている。

トーンアップタイプの登場

UVカット効果が高く、使用感も良く、肌への負担が少ない。日焼け止めとしては十分に思えるが、各社は新たな付加価値を求めてさらなるニーズを探り、研究に邁進した。

こうしたなかで登場したのが、日常のなかで「肌をキレイに見せる」日焼け止めである。「近くのコンビニに出かける程度ではメイクをするのは面倒、でも日焼けは防ぎたい」といったシーンを想定したアイテムだ。

スキンアクア トーンアップUVエッセンス (ロート製薬)

2008年に発売された花王「ビオレ さらさらUV ブライトフェイスミルク」(現在は「ビオレUV さらさらブライトミルク」)などから始まったトーンアップタイプと呼ばれるカテゴリーは、2010年代後半には大きなうねりとなる。2018年発売のロート製薬「スキンアクア トーンアップUVエッセンス」は、ラベンダーカラーで化粧下地のようにカラーコントロールし、UVカットしながら透明感のある肌に見せるもの。店頭に映える華やかなレインボーカラーのパッケージで、トーンアップタイプの認知度をアップしたといえよう。

さらに、2019年頭には高輝度パールとニュアンスグリーンを採用した「アリィー エクストラUV ハイライトジェル」(カネボウ化粧品)や、ピンクパールとラベンダーカラーを採用した「サンカット® トーンアップUV」シリーズ(コーセーコスメポート)など、トーンアップタイプの新商品投入が目立つ。日常使いのしやすさに加え、SNSでの肌映えを意識しつつも色付きアイテムの使用が認められていない中高生の間でも、毎日の通学や部活動に欠かせないアイテムとして人気を集めているのが理由のようだ。

また、2010年代後半のキーワードとして、「インバウンド消費(海外からの旅行客による売り上げ)」もあげられる。あるメーカーでは、日焼け止め全体の売り上げは好調だが、インバウンド分を除外すると微増に過ぎないというほど、インバウンドは大きな数字となっている。ここを狙い、日本発の高品質はもちろん、「日本らしさ」も感じられる商品として、「サンカット® フレグランスUV」シリーズ(コーセーコスメポート)や「アリィー エクストラUV ハイライトジェルPK」(カネボウ化粧品)は、桜の香りや色を楽しめるほか、パッケージにも桜のイラストをあしらった。

環境変化への対応

ビオレUV アスリズム スキンプロテクトミルク (花王)

日焼け止めとしての機能が出尽くしたようにも思われるなか、基本性能である「どんな状況でも日焼けを防ぐ」に立ち返り、機能を突き詰めた商品も出てきた。「アリィー エクストラUV ジェル」(カネボウ化粧品)と「ビオレUV アスリズム」(花王)は、“日焼け止めを塗っているのに日焼けした”“日焼けムラになった”という声に着目した、汗だけでなくこすれにも強い商品。「アリィー エクストラUV ジェル」は、サンスクリーン塗膜に弾性を持たせる処方により、衣類や鞄などでこすれても塗膜の形状を維持して落ちにくい<フリクションプルーフ>を搭載。一方、「ビオレUV アスリズム」は、塗膜をさらにトップコートすることで落ちにくくする<タフブーストTech>を搭載。2025年時点では、ミストのほか顔用のスティックタイプもラインナップし、年々過酷になる夏の屋外環境での使用にも適したアイテムとして訴求している。

また、顔用の日焼け止めとしてではあるが、2026年には化粧直しとUVカットが同時にできる「アネッサ パーフェクトUV ブラッシュオンパウダー」(資生堂)が発売された。汗を多くかき、崩れがちなメイク後の肌に対する、従来の液状タイプの日焼け止めとは異なる新しいアプローチとして注目されている。

若年世代を中心に季節を問わないUVケアが定着しつつあり、今後も肌への負担が少なく効果が高いだけでなく、さまざまなニーズを満たす商品が登場することが考えられる。各メーカーも力を入れて開発を続けているカテゴリーとして今後も動向を見守る必要があるだろう。

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