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防虫剤・除湿剤歴史市場シェア

2024年1月26日歴史・グラフ更新

1980年代~1990年代ピレスロイド系防虫剤の登場/場所別・用途別に除湿剤の細分化

衣類にニオイがつかない!

大日本除虫菊 「ゴン洋服ダンス用」 (1983年発売)

生活に浸透した防虫剤だが、独特なニオイがしばらく消えないという難点もあった。1980年代に入ると、衣服にニオイがつかないピレスロイド系の商品が登場し始め、市場を席巻していく。1983年、大日本除虫菊からエムペントリンを主成分とした「ゴン洋服ダンス用」が発売される。従来型の防虫剤が「重く、かさばり、臭い」という物であったのに対し、本品は「軽量で、薄く、臭わない」という特長をもっていた。商品名は、力強くまた短く、すぐに覚えてもらえるということから「ゴン」を採用。また、パッケージは当時、白が多かった防虫剤のなかで目立ち、かつ高級感も演出できる濃いワインレッドを採用し、店頭で目を引くように工夫した。

大日本除虫菊 「ゴン引き出し用」 (1984年発売)

翌1984年には「ゴン引き出し用」も発売したが、売れ行きのほうは今ひとつ伸びなかった。また、他にも数社がピレスロイド系防虫剤を発売し参入してきたものの、ピレスロイド系防虫剤のシェアは数パーセント足らずであったという。商品存廃の議論もなされるなか、実際に使用した消費者からの声は好意的なものが多く、従来型防虫剤についての潜在的な不満があることは明白だった。なかには、衣服に染み付いた防虫剤のニオイをとるため一度クリーニングに出してから着るという意見もあった。

そんななか、1986年、「ゴン」は大きな転換期を迎えることとなる…。

タンスにゴン、亭主元気で留守がいい

この攻めたTVCMがきっかけとなり、飛躍的に売上げがアップし、一気にヒット商品へと駆け上がった。そして、臭わない防虫剤の存在が広く一般に認知されていった。

エステー化学(現・エステー) 「ムシューダ」 (1988年発売)

一方、エステー化学(現・エステー)も遅れること2年、1988年に鳴り物入りで「ムシューダ 引き出し用/洋服ダンス用」を発売。ニオイがつかない防虫剤、という商品コンセプトをそのまま表現したわかりやすいネーミングに加え、

ニオイがつかないムシューダ♪

のキャッチフレーズでTVCMを展開し、市場拡大を加速。追撃をかけ、不動のシェア1位へと一気に登り詰める。30年間、TVCMのサウンドロゴは変えていないというこだわりが、確固たるポジションの確立に役立っているという。なお同年、白元(現・白元アース)もロングセラー商品となる「ミセスロイド」を発売している。

収納空間に合わせて多様化


ピレスロイド系が市場に浸透していくと、各社はさらに差別化を図るため、多様な商品展開を開始する。住居環境の変化により、これまでの洋ダンス・和ダンスから、クローゼットやオープンハンガーへと収納形態が変化していることが、ひとつの機会となった。

エステー化学(現・エステー) 「ムシューダ 防虫カバー」 (1992年発売)

1992年、エステー化学(現・エステー)が「ムシューダ防虫カバー スーツ・ジャケット用/コート・ワンピース用/セーター・カーディガン用」を発売。


大日本除虫菊 「ゴン クローゼット用」 (1997年発売)

1997年には大日本除虫菊が、大容量のクローゼットなどに衣類が収納されることに注目し「ゴン クローゼット用」を発売した。ちなみに、この商品は、クローゼット用としては初めての12カ月タイプとして投入された。


エステー化学(現・エステー) 「ムシューダ クローゼット用」 (1998年発売)

翌1998年、エステー化学(現・エステー)も住居環境の変化を捉えた商品「ムシューダ クローゼット用」を発売し、市場拡大に大きく寄与する。“落ちないフック”を初めて採用したのも特長。

同年、大日本除虫菊は「ゴンゴン洋服ダンス用」を発売。12カ月にわたり安定した効力を発揮するため、にわかに12カ月用が注目を浴びはじめる(ちなみに、半年用が「ゴン」、1年用だから「ゴンゴン」の名前が採用された)。

除湿剤は場所別・用途別に細分化が進む


除湿剤市場は、1980年代に入ると、エステー化学(現・エステー)、白元(現・白元アース)、トクヤマなどのメーカーが参入し、盛り上がりを見せる。元々、木造の日本家屋は風通しが良く、呼吸する素材のため、湿気が溜まりにくかったが、住環境の変化により、密閉度が高い素材が使用され、湿気がたまりやすくなっていた。とくに都市部では密閉性の高い集合住宅が増加し、湿気対策のニーズが高まっていた。


エステー化学(現・エステー) 「ドライペット」 (1981年発売)

1981年にエステー化学(現・エステー)が、塩化カルシウム使用の除湿剤第1号「ドライペット」を発売し、採れた水が見えるという実感しやすさが受け入れられヒット。当時は季節商品の扱いだったが、やがて年間定番品となった。


オカモト 「水とりぞうさん」 (1983年発売) ※画像は2019年のもの

1983年には、トクヤマホームプロダクツ(現・オカモト)が、除湿剤「水とりぞうさん」を発売。湿気の多い梅雨時期や秋の長雨時期に売上げを伸ばした。


エステー化学(現・エステー) 「ドライペット洋服ダンス用」 (1984年発売)

エステー化学(現・エステー)は、1984年、シートタイプ除湿剤第1号「ドライペット洋服ダンス用/下駄箱用」を発売する。衣替えに除湿剤も併用するキャンペーンを実施し、市場を大きく拡大させた。

1991年には、白元(現・白元アース)が「ドライ&ドライUP」を発売。1990年代になると、タンクタイプにも、洋服ダンス用、引き出し用、布団用など、各社から場所別・用途別に細分化した商品が発売されるようになる。そんななか、1996年、エステー化学(現・エステー)は、初の省ゴミタイプの除湿剤「ドライペット省ゴミ」を発売する。耐水紙を使用することでプラスチック使用量を約半分にして、不燃ゴミの軽量化を図った。ゴミ有料化にむけての環境対策品として注目を浴びる。

1990年代後半からは、除湿剤の低価格化が進んだことで、さらに普及率はアップしていった。

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