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洗濯仕上げ剤歴史市場シェア

2024年8月30日歴史・グラフ更新

2010~2020年代ニオわせず、香らせたい!

「高残香」タイプが人気に

2010年代に入っても香り訴求の柔軟剤の勢いは止まらず、各社新製品を投入していく。

花王 「フレア フレグランス」 (2011年発売) 画像は2018年のもの

2010年に高残香タイプの柔軟剤「ソフラン アロマリッチ」をライオンが発売すると、世の香りブームの波に乗り大ヒットを記録する。同年、P&Gは、「レノアハピネス」に、香り成分を包み込んだマジックビーズを配合。衣類をクシュクシュすると、香りを蘇らせる仕組みで話題となる。花王は汗や水分に反応して香りが飛び出す“香りセンサー”が特長の「フレア フレグランス」を2011年に発売し、三つ巴の香り競争は激しさを増していった。

ライオン 「ソフラン アロマリッチ」 (2018年発売)

2018年には、ライオンが「ソフラン アロマリッチ」をリニューアルする。天然アロマを配合し、1万人の女性の声から生まれた5つの香りをラインナップ。自分にピッタリな香りと出会えるようにしたほか、香りの対象を対他者(外に対して放つ)ではなく、対自分にすることで身近で安心感を得る、という価値の転換を行う。その結果、TVCMで伝えられた“深呼吸 with my Aroma”のコンセプトに共感が得られ、ブランド史上最大サイト流入数を記録するなど、若い女性を中心に大いに受け入れられた。

「香りづけ剤」の登場

ライオン 「ソフラン アロマリッチ 香りのミスト」 (2012年発売) 画像は2018年のもの
花王 「フレア フレグランス 衣類のリフレッシュミスト」 (2011年発売) 画像は2018年のもの

柔軟剤が熾烈なシェア争いをしているなか、香り付けのみに特化した商品も登場する。ライオンの衣類・布製品用香り付けミスト「ソフラン アロマリッチ 香りのミスト」や、花王の「フレア フレグランス 衣類のリフレッシュミスト」である。これらのミスト製品は、洗えないものに香りを付けたいニーズに対応したもの。しわとり効果などもプラスされ、柔軟剤とセットで使うケースが多く見られた。とくに、おしゃれに敏感な高校生に人気で、学校のそばにある店舗では売上げが大きく伸びたという。


P&G 「レノアハピネス アロマジュエル」 (2012年発売)

P&Gも香りづけ専用製品「レノアハピネス アロマジュエル」を2012年に発売。小型ビーズ形状で、使う量によって香りの強さが調整できることや、柔軟剤と組み合わせてオリジナルの“香りメーク”ができる楽しさを提供した。

消臭・防臭ニーズの拡大

2000年代後半にダウニーから始まった空前の柔軟剤ブームの一方で、2010年代に入ると強すぎる香りにより体調を崩すといったトラブル、いわゆる“香害”や“スメルハラスメント”の問題が徐々に表面化。各メーカーは、香りに頼らない消臭のニーズ開拓にも乗り出し始める。

ライオン 「ソフラン プレミアム消臭プラス」 (2018年発売)

ライオンは2013年、独自のナノ消臭成分を配合した「ソフラン プレミアム消臭」を発売し、消臭効果を高めた点をアピールすれば、花王は、抗菌効果を高めた柔軟剤「ハミングファイン」を2014年に発売し、抗菌ニーズを掘り起こしていく。

P&Gは“レノア史上最強抗菌(※1)+消臭(※2)をうたい、今までの無臭化技術はそのままに、従来の柔軟剤では抑えることが難しかった着用中に感じる生乾きのイヤなニオイや、ニオイ戻りも防ぐ「レノア本格消臭」を2016年に発売する。

さらに、同年、ライオンが「ソフラン プレミアム消臭」を、特許消臭技術を活用した柔軟剤「ソフラン プレミアム消臭プラス」にパワーアップ。温暖化や異常気象、清潔志向の高まりなどから、柔軟剤への消臭期待が高まってきていることを背景に、さらに消臭イメージをアップ。ターゲットであるお母さんに対し、“家族の汗は頑張った証、洗濯って応援だ”というメッセージを掲げ、マーケットの拡大を狙っていく。

※1:全てのニオイ菌を抑えるわけではない。 ※2:柔軟剤のなかで。

花王 「リセッシュ除菌EX デオドラントパワー」 (2014年発売)

一方、洗濯できないファブリックの消臭ニーズからスタートした衣類用スプレーも、除菌や防臭機能を高めていく。
花王は、2014年に体臭・タバコ・焼肉など、男性のニオイ悩みに応える「リセッシュ除菌EX デオドラントパワー」、2020年には同シリーズから加齢臭に訴求した「アクティブアップ」を発売(2024年終売)。
花王がニオイ悩みを細分化していったのに対し、P&Gの「ファブリーズ」は、車やトイレ、浴室など、場所を訴求しながら他カテゴリーに消臭機能を広げていった。

P&G 「ファブリーズ 速乾ジェット」 (2023年発売)

コロナ後の2022年には、24時間抗ウイルスを謳った「リセッシュ除菌EX プロテクトガード」(花王)も登場。
2023年以降、両社ともにスプレーノズルに改良を加えており、噴射される粒子を細かくすることで、広範囲へのムラのない噴射、速乾性をかなえる「ジェット噴射型」の商品を展開している。

衣料用漂白剤も着実に市場が拡大

花王 「ワイドハイターEXパワー 粉末タイプ」 (2017年発売)
ライオン 「ブライトW」 (2017年発売)

衣料用漂白剤の動向に目を移してみると、時代とともに衣類のカラフル化、高機能化、テキスタイルの変化などに合わせて、さまざまな衣類の見える汚れと見えない汚れに対応する技術が進化していき、市場は年々拡大を続けている。酸素系漂白剤の濃縮液体タイプは、除菌やいやなニオイを落とす消臭目的が多い一方で、粉末タイプは、エリそでの黄ばみや黒ずみなどのシミ汚れを漂白する目的で使う生活者が多い傾向にあるという。そこで、2017年に、花王は新酵素を配合して洗浄力をアップさせた「ワイドハイターEXパワー 粉末タイプ」を発売する。同年、ライオンは、新洗浄成分を配合し、液性をとろみのあるジェル状にして汚れへの密着性を高め、衣類の白さを長続きさせる「ブライトW」をリニューアル発売。柔軟剤と同様に、漂白剤市場でもライバル企業同士が技術を高め合う状況が続いている。


花王 「ワイドハイターPRO ラク泡スプレー」 (2020年発売)

2020年に入ると、花王は新たに泡タイプの「ワイドハイターPRO ラク泡スプレー」を発売。以降も、除菌・抗菌力を軸に、ワイドハイター、ブライトともに進化を続けている。

グラフィコ 「オキシクリーン」 (1999年発売)

一方、アメリカからやってきた酸素系漂白剤「オキシクリーン」(グラフィコ/1999年発売)も、近年その存在感を増している。衣類の染み抜きはもちろん、食器の漂白にも使えるなどマルチな「オキシ漬け」が、インスタグラムなどのSNSで話題となり、人気を博しているようだ。

新しい選択肢の模索

ライオン 「ソフラン エアリス バルコニー」 (2023年発売)

その後、新型コロナウイルス感染症の影響により洗濯周りの抗菌ニーズが加速。柔軟仕上げ剤においては、高残香と防臭の二極化が進んでいく。
そんななか、ライオンは二極化に切り込む新感覚の柔軟剤として、2023年に「ソフラン Airis(エアリス)」を発売。
香りや着心地はもちろん、香りの設計や透明なボトルデザインに至るまで、洗濯が心地よく前向きな時間になるよう商品開発を行った。洗濯中は、そのプロセスを楽しめるよう瞬時に香り立つ一方、着用中は自分だけがさりげなく香りを楽しめるよう2段階の設計がされている。

花王 「キュレル 衣料用柔軟剤 」 (2023年発売)

各社が新たな切り口を模索するフェーズに入るなか、同年、花王が乾燥性敏感肌用のスキンケアブランド「キュレル」から、「キュレル 衣料用柔軟剤」を発売。肌の刺激にもなりうる衣類の摩擦を低減し、チクチクやゴワつきなどの不快感を緩和することに着目している。

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