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ヘアスタイリング剤歴史市場シェア

2025年3月28日歴史・グラフ更新

2010年代ヘアケアとのボーダーレス化

作り込まないナチュラル

2010年、クラシエホームプロダクツ(現:クラシエ)は、カネボウ時代の2006年に立ち上げた「いち髪」ブランドを刷新。ヘアケアのみだった同ブランドから、スタイリングシリーズも発表した。ブランド立ち上げ当時の「一髪、二姿(いちかみ、にすがた)」というコンセプトはそのままに、日本人に合った素材にこだわり、“ケアしながらスタイルをつくる”という発想のスタイリング剤をラインナップした。

一方、サロンのトレンドとしてはパーマヘアが減り、ブローやヘアアイロンだけで仕上げるナチュラルスタイルが増えた。女性だけでなく男性も、髪型を決め過ぎるのはかっこ悪いと考える層が増えているという。これまで、髪型のトレンドを作ってきたのはテレビや雑誌に出るアイドルやタレント、俳優だったが、2010年代になると“誰かと同じ髪型”にすることが急速に流行らなくなった。SNSやオンラインプラットフォームのの普及により、個人が発信するヘアスタイルが注目を集めるようになった。

こうしたトレンドを裏付ける話として、初回掲載時(2020年)に取材したあるメーカーによると、1990年代にはスタイリング剤の使用率はほぼ100%だったが、2020年時点では半分ほどに減っているという。この理由としては、サロン技術が向上し、スタイリング剤をつけなくても髪型がまとまるようになってきたことが考えられるが、トリートメント剤とスタイリング剤の境界線があいまいになってきたこともある。とくに洗い流さないトリートメント剤が定着し、それだけで十分髪がまとまるため、サロンでさえ仕上げにスタイリング剤を使用しないという状況がみられ始めている。一方、この時期から、エコ意識の高まりに伴い、オーガニック成分や環境への配慮を訴求する製品も見られるようになった。

前髪スタイリングの需要拡大

スタイリング剤の使用率が減少する一方で、若年層の間では前髪スタイリングへの関心が高まった。特に、就職活動中の学生の間では「前髪をきちんと固めておく」ことが常識化し、前髪のキープ力を高めるスプレーやワックスの需要が増加した。 前髪をきちんと固めたいというニーズをとらえたのが、花王が2018年に発売した「ケープ ONE」(2018年発売)。ワンプッシュで一定量が出るもので、前髪だけにピンポイントでつけられる噴霧範囲の狭さもポイントとなっている。また、まとめ髪ニーズに応えるウテナの「マトメージュ」は、履歴書用の写真を撮る際に、“アホ毛”と呼ばれる毛の浮きが隠せることで人気となっているという。

スタイリング剤の新たな展開

2012年頃にスタイリングウォーターが発売されていることから、「新たな展開」としてクラシエホームプロダクツ(現:クラシエ)が2013年に立ち上げた「プロスタイル マルカ」シリーズは、“まるまる1本でカンタン”をコンセプトに、オールインワンタイプのノンシリコン処方が話題となった。

クラシエ 「プロスタイル マルカ」シリーズ (2013年発売)

サロンの流行を追いかけつつ、家庭でのスタイリングを考慮した製品開発が求められるなか、各メーカーは使いやすく多機能なスタイリング剤の開発を進めた。たとえば、髪や頭皮に優しいノンシリコン処方や、忙しいライフスタイルに対応するオールインワンタイプが注目された。また、部分セットやおくれ毛対策など特定のニーズに特化したアイテムも登場し、2010年代は、トレンドを取り入れながらも、個々の生活スタイルを反映しながら進化していった。

2020年代にかけて、ヘアスタイリングのトレンドは「ナチュラルだけど計算されたスタイル」へとシフトする。全体のフォルムを作り込むよりも、前髪や毛先のニュアンスを重視し、髪全体ではなく「パーツごとに整える」という考え方が主流となり、とくにコロナ禍におけるマスク生活の影響もあり、「前髪×眉」のバランスが、顔の印象を決める重要なポイントとなっていく。

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