1980~1990年代「日本初」の商品が続出の革新期
ほかにはない商品を目指して

バブル期にあたるこの年代は、「日本初」をうたう商品の登場が相次いだ。
1984年には、佐藤製薬から「ストナエースソフトカプセル」が発売。中身が液体のソフトカプセルという、他社にないニュータイプのかぜ薬として登場した。中身が液体で溶けやすく、また飲みやすいという点がセールスポイントとなった。総合感冒薬は成分が多いため、あらかじめ溶かした状態でカプセルに封入する「ソフトカプセル」の開発は難しいとされていたが、いち早く製品化にこぎつけた。

1986年には、日本初のビタミンC配合かぜ薬「コンタック 総合感冒薬」 (グラクソ・スミスクライン、現:Haleonジャパン)が発売された。今では一般的なかぜ薬とビタミンCとの組み合わせはここから始まった。
1987年には、大正製薬が「パブロンS錠」を発売。日本の一般用医薬品では初めて<塩酸ブロムヘキシン(ブロムヘキシン塩酸塩)>を配合した商品だ。医療機関で気道粘膜のケアによく使われていた同成分と、<塩化リゾチーム(リゾチーム塩酸塩)>の2種類の基準外成分を配合したスイッチOTCのかぜ薬として登場した。なお「パブロンS錠」は、直径9mmという小型の錠剤を実現し、服用しやすくしていた。
1988年には、エスエス製薬から、錠剤タイプでは日本で初めてとなる1日2回服用の持続性かぜ薬「エスタック12」が発売。散剤やカプセル剤と違い、溶解の速度を調整した錠剤を開発するのは、当時の日本の技術では難しかったため、海外から技術を導入したという。

そして1992年、同じくエスエス製薬から、ついに日本で初めてイブプロフェンを配合した総合感冒薬「エスタックイブ」が登場した。現在もその高い効き目で主流となっているイブプロフェン製剤の登場は、かぜ薬の世界では大きな一歩といえる。
効き目のかぜ薬
がキャッチフレーズの同品は、イブプロフェン配合の商品として最初に上市できたこともあり、大ヒット商品となった。
1995年には、ブロムヘキシン塩酸塩を配合した「パブロンSゴールド微粒/錠」が大正製薬から発売される。同商品には、<塩化リゾチーム(リゾチーム塩酸塩)>が医療用と同じ1日量90mg配合されているのが特長だった。

1997年には、三共製薬(現:第一三共ヘルスケア)から「新ルル-A錠」が発売された。抗ヒスタミン成分のクレマスチンフマル酸塩と抗炎症成分の<塩化リゾチーム>を配合した錠剤(糖衣錠)タイプで、「新ルルAゴールド(現:新ルルAゴールドs)」が発売されるまでは、この「新ルル-A錠」が「ルル」シリーズのフラッグシップだった。
同じく1997年には佐藤製薬から、つらいせき、熱に効くかぜ薬として、「ストナプラス2」、鼻水・鼻づまり、熱に効くかぜ薬として、「ストナジェルサイナス」、熱・のどの痛みに効くかぜ薬として、「ストナアイビー」が登場。対応する症状別にパッケージの色を変えるという点では、現在に続く症状別訴求の走りとなった商品といえるだろう。
なお、おもしろい商品としては、1997年にロート製薬から発売された「ドリスタン」がある。これは、
溶かして飲む飲みやすいかぜ薬
がうたい文句の商品。お湯や水に溶かして飲むドライシロップタイプの薬だった。錠剤などの服用が苦手な子どもなどでも飲みやすく、またお湯に溶かして飲めば、身体を温める効果も期待できる。味付けも、レモン味とアップル味が用意され、かぜ薬を嫌がる子どもも飲みやすいように配慮されていた。