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乳幼児用ミルク歴史市場シェア

2024年4月26日歴史・グラフ更新

2010年代エコ意識の芽生えと、液体ミルクの登場

液体ミルク イメージ

エコで楽! コンパクトなつめかえタイプ

森永乳業 「エコらくパック」 (2012年)

2010年代に入り、共働きで、お父さんもお母さんも同じように子どもの面倒を見る家庭がますます増えてきている背景から、時短、効率化を求める声が多くなってきていた。また、現状の乳児用ミルクに対しての不満点としては、缶容器が買い物時やゴミ出し時の際にかさばる、最後まで使い切れない、といった容器に対する問題が年々高まっていた。その問題を解決する提案として2012年、森永乳業は、「はぐくみ」「E赤ちゃん」「チルミル」の各シリーズから、

エコ・らく・コンパクト

の3点を意識した設計の新型容器を採用した、日本初となる入れ替えタイプの粉ミルク「エコらくパック」を発売する。

アルミパックと繰り返し使える専用ケースを使用し、従来の缶タイプより製造時に排出されるCO2を約60%削減。つめかえは、袋ごと専用ケースに入れてセットするだけなので、中身をこぼす心配も少なく、廃棄も簡単といった点から、発売後のユーザー調査でも「圧倒的にゴミ捨てが楽!」「かなり救われた!」などの声が寄せられた。

衛生上の容器の規定などがあり、缶にはつめ替えできないため、袋ごとつめ替える方法を採用。検討期間から考えると発売までこぎ着けるのに5~10年はかかったという。また、ケースのリニューアルだけでも3年以上開発期間を要した。なにより安全性、品質の面を考慮する必要があるため、そのあたりの解消が一番苦労したという。なお、同製品は、革新的なアイデアが評価され2013年「ジャパンパッケージングコンペティション」(日本印刷産業連合会主催)において、最高位となる会長賞を受賞した。

母乳にさらに近づくために

ビーンスターク・スノー 「ビーンスタークすこやかM1」 (2013年)

2013年、

乳児にとって最良の栄養である母乳

をテーマに、できる限り母乳に近づけたいと考え、半世紀以上にわたって母乳研究を続けているビーンスターク・スノー(現・雪印ビーンスターク)は、研究を生かして開発した「ビーンスタークすこやかM1」を発売する。リボ核酸、ヌクレオチド、シアル酸、母乳オリゴ糖という母乳に含まれる成分を配合。また、より母乳に近づけるため、スフィンゴミエリンを新規配合したほか、母乳オリゴ糖を増強しているのがポイント。さらに、乳児にとって重要な栄養素であるセレンとビタミンKを、乳児用調製粉乳の国際規格<FAO/WHOコーデックス>に合わせて増強した。

同社は2016年、母乳のあとのちょっと足しに便利なほか、スプーンがいらず夜中や外出時にも便利な1本あたり50mL分のミニスティックタイプの「ビーンスターク すこやかM1ミニスティック」を発売する。使い切りタイプで衛生面も配慮されている点などもニーズに合致して、市場に根付き、現在もロングセラーとなっている。

震災時の備蓄品としても注目…液体ミルク

2011年の東日本大震災では、多くの粉ミルクが被災地に届けられたが、現地ではミルクを溶かすためのお湯が確保できず十分に赤ちゃんに与えることができなかったという。そこで、災害時の緊急用の母乳代替品として、海外ではすでに発売されていた液体ミルクの備蓄が要望されるようになった。その後、2016年の熊本地震でも同様に液体ミルクの必要性が叫ばれ、議論された結果、国内での法整備がようやく行われ、2018年に液体ミルクの製造販売がついに解禁された。

江崎グリコ 「アイクレオ赤ちゃんミルク」 (2019年)

これを受け、2019年、江崎グリコ(2018年に完全子会社のアイクレオを江崎グリコが吸収)は紙パックタイプの「アイクレオ赤ちゃんミルク」を発売。常温保存で賞味期限6カ月の商品を自社通販サイトで先行販売したところ、アクセスが殺到。一時はサーバーダウンするほどの反響があった。

次いで、明治もスチール缶タイプの「明治ほほえみ らくらくミルク」発売。乳児に与えるという商品特性から、栄養設計、原料選定、容器選定、製造工程、品質管理のすべてにおいて、何よりも安全、安心な商品として提供することに注力したという。長年の基盤研究に基づいて乳児の確かな発育のために母乳の組成に近づける努力を続けてきた「ほほえみブランド」の商品として、基本的な栄養設計を粉、キューブと同等としている。また、堅牢性・遮光性・密封性を兼ね備え災害備蓄用途にも適したスチール缶を採用し、充填後にレトルト滅菌を実施することで賞味期限1年を実現した。

ミルクを溶かすためのお湯を必要とせず、濃度の調整も不要で、そのまま飲ませることができ、開封しなければ常温で保存可能というメリットから、両社の液体ミルクの発売は大きな話題となった。

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