1990年代~2000年代さまざまな成分の研究が進む。画期的な商品も!

研究開発が進み、さらに進化
女性の社会進出等を背景に、年々少子化に向かい、出生数は減少傾向が続いていた。乳児用ミルク市場にとっては厳しい環境の中、各社はより栄養を考慮した成分を乳児用ミルクに取り入れることを目標に商品開発を進めていった。

1990年、雪印乳業は、赤ちゃんを病気から守る成分であるシアル酸を研究し、乳児用ミルクに配合した「ネオミルクai」を発売する。
乳児用粉ミルクに含まれる牛乳由来のβ-ラクトグロブリンというたんぱく質は、母乳中には含まれずアレルゲン性が高いと言われ、これを減らすことが乳児栄養に携わる者の目標となっていた。
そんななか、明治乳業は、1991年に世界で初めて母乳にはないβ-ラクトグロブリンの選択的分解を行い、栄養価を向上させた「ソフトカード明治コナミルクF&P」を、1994年にはアラキドン酸とDHAとのバランスを改善したほか、コレステロールを強化して脂質全体のバランスを母乳に近づけた、日本初となる「ソフトカード明治コナミルクF&P-f」を発売する。

1993年、森永乳業は、「森永ドライミルクはぐくみ」を発売。たんぱく質の消化吸収の改善、ドコサヘキサエン酸(DHA)配合による脂肪の質的改善、βカロテン配合による感染防御に対する配慮などを特長とした。また、翌年1994年には、すべての乳たんぱく質を消化した「森永ペプチドミルクE赤ちゃん」を発売する。両親や兄、姉がアレルギー体質であるなど、アレルギー素因を有する可能性の高い乳児を対象とした全く新しい概念に基づく乳児用ミルクとして話題となった。
森永乳業は、フォローアップミルクにおいても、1994年にDHAとβカロテンを新配合して栄養面を強化した「森永チルミルあゆみ」を発売する。
アイクレオは、日本で初めて母乳に含まれる主要な5種類のヌクレチオドを配合した「SMA S26ベビー」を1997年に発売。ヌクレオチドの配合量も他社商品と比べても一番多く、免疫力を高める、ビフィズス菌を増やすなどの効果から人気を集める。
キューブタイプの登場!
2002年には、雪印乳業が分社化し、ビーンスターク・スノー(現・雪印ビーンスターク)が設立。

明治乳業は2007年、世界初となるキューブタイプの粉ミルク「明治ほほえみらくらくキューブ」を発売する。従来品の栄養成分はそのままに、圧縮成型、表面硬化して固形にした画期的な商品だった。溶けやすいよう表面にくぼみをつけ、衝撃が加わっても角が欠けにくいよう丸く面取りしているほか、スプーンでのすり切りが不要のキューブタイプで、粉をこぼすことなく簡単にミルクを作ることができるのが大きなポイント。キューブ1個でできるミルクは40mL分なので、必要な分だけ、正確にミルクを作れるという利点も。祖父母や父親も簡単に作れ、育児協力へのハードルを下げたという点、夜間や外出時でもストレスなく調乳できる機能性と、世界初という抜群の新奇性でスマッシュヒットとなる。