1980年代~1990年代抗真菌剤の登場
続々とスイッチOTC薬の抗真菌成分が

1980年代に入ると、スイッチOTC薬の抗真菌成分を使用した商品が登場。チオカルバメート系の<トルナフタート>、ピリドン系の<シクロピロクスオラミン>などが全盛の時代に入っていく。
1985年には、<エキサラミド>配合の「ソルジャー」(エスエス製薬)が発売。次いで、1987年、丹平製薬からはじける泡状の水虫薬「アスターBB」が発売された(1989年には、フロンガス問題で販売中止となっている)。
1980年代後半~90年代前半になると、さまざまな成分を配合した商品が発売されていく。その中心となったのが、<クロトリマゾール><ミコナゾール><エコナゾール><チオコナゾール><スルコナゾール><ビホナゾール><オキシコナゾール>といった、イミダゾール系の成分だった。イミダゾール系の成分は、白癬菌に対する抗真菌力が高いばかりでなく、作用範囲も広く、刺激が少ないものとして一時代を築いていった。
1988年には、大正製薬が<ミコナゾール硝酸塩>を配合した「ダマリン」を発売。翌1989年、<トルナフタート>配合の「サイクA液」(カネボウ薬品)と<エコナゾール硝酸塩>配合の「ポリカイン」(大鵬薬品工業)が立て続けに発売され、市場を盛り上げていく。
なお、イミダゾール系の水虫薬は、2000年初頭までOTC薬の主流だったが、現在ではPB品に多く見受けられるようになっている。
新商品の勢いが止まらない
1990年代に入っても引き続き各社が新商品を発売。新商品の投入が集中し、市場が活性化されたときや、水虫の発生しやすい気候になると需要が拡大する水虫薬市場だが、なかでも当時はかなり多くの新商品の発売により、各社しのぎをけずっていった。

<ミコナゾール硝酸塩>配合の「ダマリン」を擁し、トップブランドとして君臨していた大正製薬は、1993年に「ダマリンIC/ダマリンL」を発売。1日1回タイプとして現在も販売が続いているロングセラーとなっており、さらに1998年には「ダマリンL」の容量追加を行い、その地位を盤石のものとしていく。
その大正製薬を追う、武田薬品工業は、1993年に<クロトリマゾール>配合の「スコルバ」、1998年に「スコルバLX」を発売し、大きくシェアを伸ばす。同じく、エーザイも1994年「バイクリア」、1996年「バイクリアスプレー」、1998年「バイクリアプラス」と、<ビホナゾール>を配合した「バイクリア」ブランドを強化し、追随する。ブランド名の認知を向上させることを狙った広告を投下し、ユーザーの確保に努めていった。

そのほかのメーカーも、1993年<クロトリマゾール>配合の「ピロエースW」(藤沢薬品工業※現・第一三共ヘルスケア)、1996年<エコナゾール硝酸塩>配合の「ポリカインV」(大鵬薬品工業)、1999年<シクロピロクスオラミン>配合の「ラマストンプラスL/L液/Lゼリー」(佐藤製薬)などを発売するが、上位メーカーには及ばず、苦戦をしいられる。
そんななか、全薬工業は、1997年「コザックコート」、1998年「コザックエアゾール」、1999年「コザックコート軟膏」を発売し、生活者の選択の幅を広げて順調にシェアを拡大していった。
当時のトレンドとしては、各社、液タイプ、クリームタイプとあわせて、スプレータイプを展開するケースが多くなっていた。手を汚さずに直接患部に塗布できる利点が受け入れられて需要を伸ばしていったようだ。
また、店頭における販促活動としては、水虫の予防や足臭防止目的の石けんや靴下などの関連商品といっしょに展開したり、POP等のツールを使用したりして、生活者の需要喚起を図っていった。