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のどの薬(殺菌・消炎)歴史市場シェア

2022年6月24日記事公開

2000年代~さまざまな改革・改変の時代へ

「イソジン」「明治うがい薬」のパッケージ 画像

「カバくん」戦争も勃発

2000年代に入ると、ニーズの多様化に伴い商品も細分化されるが、業界の再編も絡んで複雑な様相を呈してくる。

2000年、小林製薬から外出先等に携帯しやすいよう、小型化した「のどぬ~るミニ」が発売されると、その翌年には大容量の「のどぬ~る大容量タイプ」が発売されるなど、ニーズの多様化はここでも見て取れる。その後、2005年には爽快感を感じられるよう清涼感成分を増量した「のどぬ~るスプレーEXクール」を発売、付加価値向上に努めた。

一方、興和新薬の「新コルゲンコーワトローチA」は2004年に指定医薬部外品へと切り替わり、販売の面でも変化が見られた。

明治製菓 「イソジンうがい薬 ハンディタイプ」 (2007年発売)

2007年には、「イソジンうがい薬」に携帯できる粉末タイプの「イソジンうがい薬 ハンディタイプ」(明治製菓)が登場。これは、水に溶かして使う粉末タイプのうがい薬だ。外出時にも使いたいというニーズに応えた商品だった。

龍角散 「龍角散ダイレクトスティック」 (2008年発売)

さらに、2008年には、龍角散から「龍角散ダイレクトスティック」が発売される。これは45年の長きにわたる人気商品であった「クララ」を終売しての切り替えだったが、目に涙をためて反対する社員もいたという。しかし、社内の反対を押し切った藤井社長の決断は奏功。古くからのユーザーの一部を失っても新たな層を取り込むことに成功し、ヒット商品となった。

第一三共ヘルスケア 「トラフル錠」 (2008年発売) 写真は2022年のもの
第一三共ヘルスケア 「トラフルクイックショット」 (2010年発売) 写真は2022年のもの

また、第一三共ヘルスケアは、同社再編翌年の同じく2008年、「口内炎に関するお客様からの相談が多い」という店員の声をきっかけに開発された「トラフル錠」を発売。口内炎治療薬の新ブランドとして立上げを行った。これは、第一製薬がもっていた「ペラックT錠」と同処方の製剤を、口内炎治療薬として訴求し、一物多名称品として発売したものだ。この「トラフル」ブランドからは、2010年にアズレンスルホン酸ナトリウム水和物配合のジェル状液を採用したのどスプレー「トラフルクイックショット」も登場した。

小林製薬 「ハレナース」 (2013年発売) 写真は2022年のもの

2013年には、小林製薬から、扁桃腺のはれ、痛みを改善する内服薬「ハレナース」が発売された。これは、水なしで飲めて口の中でサッと溶ける顆粒タイプの商品。「扁桃腺の腫れに効く」という、ほかにないコンセプトを打ち出した商品だった。

「明治うがい薬」(左)と「イソジンうがい薬」(右)。 パッケージキャラクターの話題もニュースになった

そして2016年、業界だけでなく、一般の生活者をも大いに驚かせたのは、それまで明治製菓(現:Meiji Seika ファルマ)が製造販売していた「イソジン」シリーズを、同年に発足したシオノギヘルスケアが販売することになったというニュースだ。これによって、Meiji Seika ファルマは「イソジン」を販売できなくなるが、同じ処方のうがい薬は「明治うがい薬」として販売されることになった。
この「事件」では、「イソジン」ブランドの移管もさることながら、生活者はキャラクターの行く末も注目していたが、「カバくん」はMeiji Seika ファルマの「明治うがい薬」に、それまでカバくんが表示されていた「イソジン」には、新たな犬のキャラクター「イソくん」が掲載されることで決着した。


シオノギヘルスケア 「イソジンクリアうがい薬」 (2018年発売)

その後2018年、「イソジン」ブランドに、ポビドンヨードの味や匂いが苦手な方向けに、同成分を使わない「イソジンクリアうがい薬」が加わることとなった。これは、セチルピリジニウム塩化物水和物とグリチルリチン酸二カリウムを配合した無色透明のうがい薬で、ポビドンヨードありきのイソジンでは異例の商品だった。

さらに、「トラフル」でも、2019年アズレンスルホン酸ナトリウム水和物とセチルピリジニウム塩化物水和物を配合したうがい薬の「トラフルクリアウォッシュ」が拡充された。

このようにのど関連の近年は、企業・商品ともに大きな変革が起こっていた。とくに2019年末から始まったコロナ禍により、外出機会の減少が売上の低下につながっただけでなく、大きなウエイトを占めていたインバウンドが急速に落ち込んだことで、売上低下が拡大している。その一方で、インバウンドを除く市場では、2017年以降も微増傾向にあるとみられ、このカテゴリー自体は期待が持てると言えるだろう。
また、団塊の世代が75歳以上となる「2025年問題」が訪れるまであとわずかだが、のど関連は高齢者にもアピールできる分野だ。健康寿命の延伸にも寄与できるカテゴリーであるため、店頭での情報提供などを含めた高齢者への適切な応対なども重要な課題となってくるだろう。

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