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生理用ナプキン・タンポン歴史市場シェア

2023年10月27日歴史・グラフ更新

2010年代生理期間を明るく過ごす ~ニーズの多様化~

多様な生き方が認められる時代

東日本大震災、熊本地震と、大規模災害が続いた2010年代。災害時の生理対処が注目され、大規模な寄付を行うメーカーも多かった。一方で、複数の自治体が同性カップルのパートナーシップ制度を発足させるなど、個々の多様な生き方が認められるようになった時代でもある。

生理用品の選び方が様変わりしていく

生理用ナプキンに、

  • 羽あり・羽なし
  • スタンダード・薄型
  • 軽い日用・普通の日用・夜用

といったさまざまな種類がそろったことで、生理用品の選び方も様変わりした。初潮を迎えてしばらくは母親と同じものを使うことが多いが、2010年代に初潮を迎える世代の母親の初潮が1980年代~1990年代だとすれば、母親は羽つきや薄型タイプを違和感なく使用している世代。母親が、自分が慣れたタイプを娘にすすめることで、羽つきや薄型タイプのシェアは今後ますます拡大していくのではないかと考えられる。

「母親と同じもの」からの自立

初潮からしばらくは母親と同じものを使っていた娘も、20代を迎える頃には、洋服を選ぶように生理用品も自分で選ぶようになる。ここで初めて、「自分で生理用品を買う」という体験をする女性もいることだろう。

10代~20代は、

  • ファッションの邪魔にならない薄型タイプ
  • 友達との旅行では絶対失敗したくないから夜用
  • ポーチから見えても違和感のないかわいいパッケージのもの

といったように、機能面と見た目を重視して生理用品を選ぶ。こうした世代への新たな選択肢として、香り付きの生理用ナプキンも発売された。

20代後半から30代になると、肌ケアのニーズが高まる。仕事や家庭が忙しく、ひんぱんに取り替えられない世代は、少しでも肌にいいものを選びたいという気持ちがはたらくようだ。逆に、外出する機会が少なく、ひんぱんに取り替えられる環境にある女性は、価格面からスタンダードのお徳用を選ぶことが多い。

ニーズに合わせた商品の多様化

ニーズに合わせて、商品も多様化しつつある。ユニ・チャームの「ソフィ ボディピースセット」(のちに「シンクロフィット」としてリニューアル)は、“ピースを体に挟む”という新発想で、ナプキンとタンポンの中間に立つ商品。看護師など、立ち仕事の女性からとくに評価が高いという。また、ショーツ型ナプキンは2001年の「超吸収ガード 朝までブロック 安心ショーツタイプ」が先発だが、ユニ・チャームが2019年に「ソフィ超熟睡ショーツ」を発売したことで徐々に市場が形成されてきている。ほかにも、2000年代に登場した“布ナプキン”が、2010年代にかけて自然派の女性を中心に静かに浸透していたり、欧米では使用者が多いというシリコーン製の月経カップが、日本でも2016年に医薬部外品として承認されたりと、今後の展開が注目されている。


形状に工夫をこらした製品が登場する一方で、生理用ナプキン本来の機能を突き詰めた商品も登場している。大王製紙が2018年に発売した「エリス コンパクトガード」は、吸収体を圧縮するのではなく、吸収体の密度に差を付けることで、薄さと吸収力の両立を実現したナプキン。さらに、社内でも賛否両論あったというはっきりとした色のパッケージ(昼用:赤、夜用:青)で、着実に若年層を獲得している。

ユニ・チャームは2020年に、活動的な女性がナプキンの「ズレ」や、ズレによって生じる「モレ」を不安に感じていることに着目して「ソフィ SPORTS」シリーズを発売。細くてやわらかい繊維を独自の技術で接合させることで、動きに強い吸収体をキープするとともに、独特の形状やズレ止め加工によって、スポーツや育児、立ち仕事など、さまざまなシチュエーションでの動きに対応する。

また、憂うつになりがちな生理期間を少しでも心地よく過ごせるように配慮されたナプキンも増えている。香り付きのナプキンが登場するなか、花王はさらに一歩踏み込んで、消臭機能を搭載した「ロリエ デオプラス」を2020年に発売。活性炭を高濃度で配合した消臭シートの開発には時間を要したというが、その甲斐あって、「ニオイがしなくなったことで、今まで生理のたびに感じていたニオイがプチストレスになっていたことに気がついた」といった生活者の声が届いているという。

同商品終売後の2022年には、同じく活性炭消臭シートを用いた後継商品として、「しあわせ素肌」シリーズから「ロリエ しあわせ素肌 消臭プラス」を発売。コロナ後に、再び外出や対人の機会が増えたことで、消臭ニーズが高まり、売上は伸長中だ。

消臭機能のほかにもう一つ、心地よさを訴求し女性の支持を得ているのが「肌ケア」機能をもつナプキンだ。肌あたりの良さや、通気性に優れており、花王からもピュアコットンを使用した「ロリエ しあわせ素肌 ボタニカルコットン」が発売されている。

生理用品の使用者の絶対数は減少しているが、付加価値の多様化によって、市場は活性化しているといえよう。

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