便秘薬カテゴリーの、これからの話
便秘薬カテゴリーの特徴
紀元前古代エジプトからスタートした便秘薬の歴史も2000年代に入り、生活者が自らに合った商品を選べるほどにバラエティ豊かなカテゴリーになったことがわかるだろう。最後に、改めて便秘薬カテゴリーの基本情報を把握しておきたい。
便秘は、「便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症」によると、症状で大きく2つに分類される。
慢性便秘症の分類(症状による)
- 排便の4分の1を超える頻度でコロコロとした便や硬い便である
- 自発的な排便の回数が週3回未満である
- 強くいきんだり、残便感が残ることが多い
- 直腸や肛門に閉塞感や排便困難感がある
- 排便するときに、指などを使った手助けが必要になる
便通異常症診療ガイドライン2023(慢性便秘症・慢性下痢症)』を元に作成
販売動向には、明確な季節性は見られない。一方で、便秘は精神面の影響を如実に受けるため、新しい環境に身を置き、ストレスを感じる生活者が増える4~5月に、販売量やお客さま相談窓口への問い合わせが微増するという。また、夏場も小さな山があり、これは冷房の寒暖差による自律神経の乱れ、発汗による水分不足が原因と考えられるという。
高齢者ユーザーには男女差なし
便秘症状に悩むユーザーは生理やホルモンの関係から女性が多いが、加齢とともに筋力が低下し腸の動きが鈍ってくる65歳以降の男性で増加傾向になり、徐々に男女差は見られなくなる。
長期的な視野でみると、人口は減少するものの、便秘薬のサポートが必要となる高齢者は増加する。今後のカテゴリー拡大につながる明るい材料として捉えられるだろう。
年齢別便秘人口(人口千人当たりの有訴者数)

一方で、小学生など10代以下の若年層の便秘問題も存在しており、悩みを解決する選択肢として、使いやすさや安全性の面から、幅広い年代で使用できる酸化マグネシウムや浣腸薬などの便秘薬が認知されることが望まれる。カテゴリーの生涯顧客を増やす点でも、若年層への訴求は各社課題の一つとして意識されているようだ。
慢性的な便秘になると、心身ともに健康に影響を与え、生活の質(QOL)が低下することもわかっていることから、便秘薬はQOL向上に欠かせない医薬品として、堅実な売上をもたらす縁の下の力持ちのカテゴリーといえるだろう。免疫にかかわる腸内環境に注目が集まるなど、ゆるやかに追い風は吹き続けており、その未来は、そう暗いものではなさそうだ。