2020年代消臭力、レベルアップ
部屋干しが日常に

コロナ禍では、洗濯回数や頻度が一時的に増加。衣類に付着したウイルスを除去したいというニーズから「除菌」機能が求められるようになっていく。
いち早く「除菌」訴求の先陣を切り、既存の「抗菌」との違いを打ち出した 「アリエール 除菌プラス ジェル」 (P&Gジャパン)は、2021年にヒット。その後、花王「アタック」、ライオン「トップ」からも、除菌商品が発売されている。
また、主に共働き家庭の増加から部屋干しが習慣化したことで、「生乾き臭」「ニオイ戻り」「蓄積臭」など、従来からのニオイ悩みがより顕在化。各社から、2010年代とは異なる、進化した対策商品が生まれていく。
2022年には、P&Gジャパンが5年ぶりに改良した部屋干し洗剤「アリエール部屋干しプラス」(P&Gジャパン)が登場。部屋干し中の生乾きのニオイを徹底的に防ぐなど、“煮沸レベル”の消臭力を謳い、注目を集めた。
洗濯で色あせも防止
一方、ライオンは2023年7月に「トップ スーパーNANOX」から、新ブランド「NANOX one」をスピンアウト。同社が得意としてきた「ニオイ専用」を含む、「PRO」「スタンダード」の3商品を展開した。
「NANOX one」いちばんの特徴であり、差別化ポイントとなっているのが、高い洗浄消臭力と衣類の色あせ防止力の両立だ。これまでも定評のあった高い洗浄力と消臭力をさらに高めながら、「衣類のロングライフ化」という切り口をプラス。開発背景には、衣類の大量廃棄問題など社会的課題がある。日々の洗濯がサステナブルな行動につながっていく―地球環境における“予防的”洗濯と読み解くと、同企業らしい提案といえるだろう。
開発時には、洗浄力を担保する成分と、衣類の傷み・色あせを防ぐ成分という、逆ベクトルの組成をバランスよく両立させる点に難しさがあったという。また、詰め替え時にも便利な残量が見える透明ボトルでも、中身の洗剤に光や温度による変色・劣化が起こらないよう高い技術力を結集。ボトル自体にも、紫外線吸収剤を練りこむなど工夫が施されている。
発売後、その使いやすさは生活者にも支持されており、忖度のない商品テスト評価で名の知れた雑誌『LDK』(晋遊舎刊)でも最強の洗濯洗剤特集(2024年3月)で1位を獲得したという。

ライオン
「NANOX one スタンダード/
ニオイ専用/PRO」
(2023年発売)
衣類のロングライフ化に関する調査

出典:ライオン調査資料(2023年6月)
スティックで、手間なくワンショット

2023年8月には、花王が 「アタックZERO パーフェクトスティック」 を発売。パウダーをスティック状のフィルムで成型した新形状は、2010年代に登場した「ジェルボール」に続く、計量レスな「ワンショット型」洗剤として、話題となった。
開発背景には、共働き世帯を中心にますます高まる、洗濯の手間を省きたいというニーズや、タイムパフォーマンス重視の潮流がある。パーフェクトスティックは、2019年にリステージされた「アタック」のブランド力をより高めていくための画期的な一品といえる。
同商品の一番の特徴は、液体洗剤を超える、圧倒的に高い洗浄力だ。主成分である高濃度のアルカリ剤が汚れに直接作用し、汚れの一部を洗浄成分に変化させることで、汚れが除去される。
研究開発過程では、スティック状にコーティングされた粉末洗剤を素早く溶け広げ、効果を最大限に発揮させるため、品質評価試験が何度も重ねられた。結果、新たに粒子レベルでのコーティングを施すことで、パウダー同士の密着を防ぎ、溶けやすさをキープ。水に触れると一気に効果成分が溶け広がる、花王の「エアーin構造」技術をさらに進化させた商品となっている。
これまで、汚れ落ちへの不満や、つけ置き洗いなどを行っていた生活者にも訴求できる商品となっており、使用者からは「エリソデ汚れが一発でキレイになり感動した」など、洗浄力と負担軽減を喜ぶ声が届いているという。
その後、2024年には、皮脂汚れによる生乾き臭に着目した「アタックZERO パーフェクトスティック部屋干し用」、“無菌レベル”の消臭力を謳った「アタックZEROワンハンドプッシュタイプ」などを発売。衣料用洗剤の加速度的に進化が続いている。